第3回 「インド映画は意味もなく突然歌って踊る?」

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    わなっかんவணக்கம்!

    皆さんは「インド映画」について、どんなイメージをお持ちでしょうか?
    煌びやか、上映時間が長い、出演女優が美しい・・・等々いろいろあると思いますが、
    ネットなどでよく目にするのは「意味もなく突然歌って踊りだす」というもの。

    確かにインド娯楽作品には、制作されている地域・言語に関係なく
    ダンスシーンが、3〜6曲ほど挿入されているのが一般的です。
    1曲5分として、6曲挿入されていれば1作品のうち30分は音楽・ダンスシーンということになります。
    これも、インド映画の上映時間が2時間半〜3時間ある要因となっています。
    (※近年は上映時間が2時間を切る短い作品も増えてきました。
     ただし、そんな作品でもダンスシーンはしっかりあるものが多いです(笑))


    ▲【ボンベイドリームス】第2幕のスタートを華々しく飾る「チャイヤ・チャイヤ」も、
     元々はボリウッド映画【ディル・セ 心から】(1998)1曲目のダンスシーン。
     動く列車の上での激しいダンスシーンは、当時絶賛されました。

     
    インドでは、映画の音楽がCDなどで販売されますが
    邦画やハリウッド映画のような、劇中で使われているBGMを収録した「サントラ」ではなくて、
    映画のミュージックシーンの曲が、映画公開1ヶ月ほど前から発売されます
    観客は公開までに音楽を聴いて覚え、実際に映画館でその曲がどのように映像化されているか
    楽しむといった感じです。聞き慣れている曲がストーリーとともに流れると、さらに印象深くなりますよね。

    インドでは、日本のような「歌手」というのはあまりいなくて、
    映画のミュージックシーンの歌手(=プレイバックシンガーと言います)が人気です
    一部例外を除き、ヒーローやヒロイン自身が歌うのではなくて、
    専門のプレイバックシンガーが歌を吹替えています。
    街中のCD屋さんに行くと、伝統音楽以外はほとんど映画の曲で埋め尽くされていて、
    インドでは映画が音楽産業も担っている、といった感じです。


    ▲【ボンベイドリームス】の作曲家、ARラフマーン氏も主に「映画音楽」を手掛けています。
     ラフマーン氏は、母語のタミル語の他、ヒンディー語・テルグ語・英語などを話せるので
     タミル映画のみならず、ヒンディー映画や海外の映画音楽も制作し、自身で歌うこともあります。


    ということで、インド映画にはほぼダンスシーンが付き物なので、
    「突然歌って踊る」というのは、ある意味正しいのかもしれません。
    でも「意味もなく」というのを冒頭に付けるのは、ちょっと乱暴かなぁと思ってしまいます

    実は、インドでは元々ラブシーンなどがご法度だったため、それを代替する措置として
    ダンスシーンが挿入されることが多いのが特徴です。
    例えば、お互い「ひとめぼれ」したヒーロー・ヒロインが、気持ちを明かしてキスシーンに・・・
    というところで”寸止め”(笑)になり、歌とダンスがスタート!
    その途中なぜか大雨が降ってきて、女優さんはズブ濡れに・・・、
    ダンスシーンが終わる頃には、2人の仲はより親密に、といった具合です。
    この場合も、一見唐突にスタートするような感じですが、2人の”気持ちの高ぶり”を
    直接的なラブシーンではなくて上手く音楽シーンで表現しているとも言えます


    さらに特に近年の作品では、音楽シーンやダンスシーンを効果的に使って
    ストーリーを展開させたり、主人公の内なる気持ちを表現したりと、
    物語との「連動性」がより深くなっているものが増えています。
    一部作品では、音楽シーンを飛ばしてしまうと、ストーリーの辻褄が
    合わなくなってしまうものもあり、もはや「意味もなく歌って踊る」という表現は
    当てはまらない、と言えるでしょう。



    ▲ARラフマーン作曲&シャンカル監督の最新作【アイ(ஐ)】(2015)のダンスシーン(ヒンディー後版)。
     2人のコンビは、「シャカラカ ベイビー」の原曲となっているタミル映画【ムダルバン(முதல்வன்)】(1999)と同じ。
     インド版【美女と野獣】を思わせる音楽シーンは、その後のストーリーの伏線となり、
     充分に「意味のあるもの」となっています。



     ▲ラジニカーント主演最新作【リンガー(லிங்கா)】(2014)より。
     こちらもARラフマーン作曲、そして自身が歌う「インド人として団結して新しいモノを作ろう!」と呼びかける曲。
     この歌のシーンではダンスはなく、曲に合わせてストーリー自体が展開していきます。


    【ボンベイドリームス】でも、このインド映画のダンスシーンの手法を取り入れて
    効果的にストーリーが展開されていきます。

    「えっ!?それがミュージカルというものでしょ?」というご意見もあるかもしれませんが、
    一般的な欧米の”ミュージカル”とは違って、曲やダンスの入り方などが
    全て”インド映画のやり方”で制作されています。
    今までミュージカルをご覧になった方々も、きっとその”違い”を感じていただけることでしょう。
    そして、「インド映画が歌って踊る」のは「意味もなく」ではないことも、
    知っていただけるのでは、と確信しています。


    マサラミュージカル【ボンベイドリームス】
    ・東京公演 1/31(土)〜2/8(日) 東京国際フォーラム ホールC
    ・大阪公演 2/14(土)・15(日)  梅田芸術劇場メインホール

    ★当ブログ経由限定の「特典付・大阪公演S席チケット」を只今発売中!
    詳細は http://bombaydreams.rajini.jp/?eid=3

     

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